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舞台劇「はつかねずみと人間」 [演劇]

す~っかりご無沙汰しております。
元気にしております。

息子(小1)と参加している藤沢子ども劇場。
高学年向け作品と位置づけられた
スタインベック原作の「はつかねずみと人間」を
ひとりで観に行きました。
toplogo-a.JPGの公演です。

20nezumi-a.JPG
20nezumi-c.JPG

HPよりあらすじを抜粋します。
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STORY
1930年代、大恐慌時代のカリフォルニア――
いつか『自分たちの農場』を手に入れたいと
ささやかな夢を追い続ける貧しい渡り農場労働者
ジョージとレニーはいつも一緒。
『俺にはお前が、お前には俺がついているから
他の奴等のように孤独ではない』と
今日もふたりは農場から農場へと渡り歩く。
レニーは優しく純粋な男だが人並みの人間関係を結ぶのは難しく、
絶えず面倒に巻き込まれる。
ジョージはそんなレニーをいつもかばっているのだが…
やっと仕事にありついた農場でふたりを待っていた運命は――
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気だるいサマータイム♪でつなぐ薄暗い各場面。
明るく楽しい話ではありませんが、
ぐいぐいっと引き込まれて行きます。
小学校3年生以上は鑑賞できるというこの作品、
大人でも見ごたえ十分です。
これを鑑賞できる小学生は相当ハイレベルだなと
思いました。
低学年から引き続き観劇のスキルを積んだ
劇場っ子なら可能なのでしょうか。

さて、この先はネタバレを好まない方は
ご覧にならないでくださいね。


レニーはジョージの恩人の甥っ子であり、
親戚ではありません。
レニーの育ての親だったクララ(?)おばさんが亡くなり、
ジョージは面倒を見ることになります。
レニーは優しくて力もある働き者ですが、
知的障害があります。
ジョージは足手まといに感じることもありながら、
レニーと離れることができません。
レニーはジョージに絶大な信頼を寄せているのです。
二人は本当の友達なのでした。

ジョージは以前ひどくレニーを殴ったことがあるそうです。
たくさんからかったりもした。
そして劇中でもぶち切れて当り散らしたりもします。
たたずむレニー。
ジョージが怒っていることを悲しむレニー。
この二人の関係を見てある意味親子関係に
似ているなと思いました。
特に幼い子と親。
親がどんなに叱ろうと、
親の機嫌が直れば嬉しくなり、
親を信頼しきっている子ども。
その純粋な子どもの心に親は自分の愚かさを悟り、
この子を守っていかなくちゃと心に誓う。
ジョージにとってレニーは友達であると同時に、
守るべきわが子のような存在なのだと思いました。

レニーはやわらかくて手触りのよいものを
なでるのが大好き。
ジョージと農場を手に入れ、
自分でうさぎを買うことを何よりも楽しみにしています。
ところがそのやわらかくて手触りのよいものを、
夢中になってかわいがっているうちに
うっかりだめにしてしまいます。
いつもははつかねずみ。
あるとき街で女の人のスカートに触れトラブルになり、
ジョージとなんとか逃げおおせて
たどり着いた勤め先の農場でも、
まずは子犬を、最後は農場主の息子夫人を…。

農場主の息子夫人も気の毒な人で、
まだ若いうちに母親から逃げたいがために
愛していない人と結婚したのでした。
横暴な夫に誰とも話すなと言われて腐っていたところ、
レニーに目をつけます。
レニーの純粋さに油断し、
自分の髪の毛を触らせると、レニーは興奮。
怪力で引っ張るので夫人は暴れます。
パニックになったレニーは押さえつけて振り回し、
挙句の果てに首をへし折ってしまうのです。

このシーン、レニーも夫人も役者さん迫真の演技!
人形のようにぶらんぶらん揺られて、
本当に死んじゃったんじゃないかと
ドキドキしました。

さて、今までは殺してしまっても小動物、
街の娘も驚かしただけでしたが、
雇い主の息子夫人を殺してしまったとなっては
ただじゃすみません。
ジョージはどうやってケリをつけたのか。
何か起こったら隠れておくようにと約束した茂みに
隠れているレニーのところへ行き、
怒ってないよと自分たちの夢を話し、
ウサギを飼おう話すと幸せ絶頂のレニーを
背後から一撃。

まもなく猟犬と怒り狂った農場主の息子たちに見つかって、
蜂の巣にされるのは決まっていることだったので、
みんなに襲われて恐怖のうちに死んでいくより
せめて自分の手で幸せな話をしながら。。。
というジョージの親心だったのでしょう。

ジョージが正しかったのかどうかはわかりませんが、
レニーの友達として、保護者としての振る舞い。
親戚でもないのに。
関係なく暮らして行くこともできるのに。

「俺にはお前が、お前には俺がついている」
決して明るい終わりではありませんが、
二人の心の結びつきを象徴するような最後、
天国でレニーはうさぎを飼って
ジョージを待っているに違いありません。

でもその後ジョージはどうなったのかしら?
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コメント 4

mokekek

おさかな♪さんNiceありがとうございます。[わはっ]

by mokekek (2010-01-26 08:52) 

jewel

 息子くんが鑑賞できる年齢になって
 また観たい作品なのでしょうね^^

by jewel (2010-01-28 20:29) 

たっくん

藤沢と言えば・・・長谷川逸子さん設計の湘南台文化センターですね。
大学生時代に建築探訪にいきました♪

櫻子は、最近いろんな表情をするようになり、音楽が聴こえるとスグにお尻をふってダンスを始めます(^^♪

自分たちの動作を見て、途端に真似をして、ひとつひとつ様々な事を覚えているようです!

2月11日で1歳になります☆彡

息子さんの成長に負けないように、櫻子も頑張りまーす!!
by たっくん (2010-01-30 13:40) 

mokekek

jewelさんNice&コメントありがとうございます。[わはっ]
息子が鑑賞できる年齢になって、
この作品がまだ上演されてるかどうかは
わからないのですが、
難しいながらも人間の本質みたいなことに
思いをめぐらすことのできるこの作品、
また一緒に見られるといいなと思います。

たっくんNice&コメントありがとうございます。[わはっ]
そうですそうです。
まさにこの作品は
その湘南台文化センターで
上演されました!
外から見ると人目を引く不思議なデザイン、
ホール内も独特の響きのある
特徴ある施設ですね。
櫻子ちゃん、うちの娘と
ほぼ1歳違いですね。
これから表情も増えて
どんどんかわいくなりますね[はぁと]
楽しみですね☆

by mokekek (2010-02-03 08:14) 

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