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読書感想文-「ハッピーバースデー」 [本]

7/6のこのブログでご紹介した「ハッピーバースデー」
実は今のところ私のブログの中ではダントツ1位のヒット数です。
みなさんの関心が高いものなのでしょう。

私がこの本を読むきっかけになったある教会の月報に、
父に依頼されて読書感想文を寄稿することになり、
今月号に掲載されました。
一応一生懸命書いたので、こちらでも紹介させていただきます。

ハッピーバースデー

ハッピーバースデー

  • 作者: 青木 和雄, 吉富 多美
  • 出版社/メーカー: 金の星社
  • 発売日: 2005/04/18
  • メディア: 単行本

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「あすか」に元気をもらいました。

6月の月報で冒頭の○○先生の説教に、この「ハッピーバースデー」のことが出てきました。そこで、是非本を読んでみようとすぐに本屋さんへ向かったのでした。あらすじは…○○先生がほとんど紹介なさっていましたので省略させていただきます。
特に印象的だったのは、母親からの視点です。実は母親は、両親が姉ばかりをかわいがり自分をかわいがってくれなかった…という思いから硬い殻を持った大人になってしまったのですが、その不器用な生き方、苦しみなども伝わってきます。「だから仕方がないじゃない。」という母親の姿勢は結局様々なところへひずみとなって現れてゆくのです。
 虐待と聞くと、それをしている大人に非難が向かいがちですが、心に闇を抱えている彼らをただ攻めるだけでは、問題は解決しないかもしれません。大人だからと言って、本当に理解できていないことをいくら他人から言われても、通じないのです。本当は止めたいけれどどうやって止めたらいいのかわからないでいるのかもしれないのですから。
そんな状況では虐待をしている大人から、虐待をされているこどもをまずは離してみることも一つの手段でしょう。そして虐待の輪廻を断ち切るには、心の傷を負ったこどもに気がついた人が、そのこどもを尊重し愛し、自分が大切な存在であることを実感できるような環境を整え見守ることが必要です。そして真の意味で元気になったこどもは、自分を傷つけた張本人の大人をも変える力(Power)を持つかもしれません。この本の主人公のあすかはそうやって元気なこどもになって行くのです。
 この本の感想を、ブログ(インターネット上の様々な人の日記のような書き込み)で紹介されたものをいくつか読んでみると、「感動するからと知人に薦められて読んでみたが、話が単純すぎて泣けない」「わざと泣かせようとしているようで不快だ」というようなものもありました。また、実際自分自身が虐待を受けていた人などは、「そんなに単純なものではない」というような意見もありました。複雑な人間関係や様々な経験をしてきた大人からすると、そのような印象を持つこともあると思います。それはフィクションの限界かもしれませんが、この本で大事なことは「泣くほど感動すること」ではありません。
 こどもにとって、無条件に尊重されること、愛されることが、そして自然や人とのふれあいから命の尊さを学び取っていくことがいかに大事なことなのかということを、改めて認識しなおすこと。平易な文章で単純な話かもしれませんが、私は子を持つ大人として、この本を読んでそのことを肝に銘じたのでした。そして、周囲の人々に助けられながら辛い状態から抜け出す努力をしたあすかが元気になり、周りの人を変えてゆく様子から、私自身もあすかから元気をもらったような感じがしました。
 そして実は…まず、○○先生の文章を読んで、涙を流し、実際に単行本を読んで号泣したのでした。「是非読んでみて」と母に読ませたところやはり涙なしでは読めなかったとのこと。まだお読みでない方は、是非一度お読みになってみてくださいませ。
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コメント 13

コドクナアスカ

ワタシハアスカミタイナコドモデス。イママデナイテバカリデシタ。ソレハアイサレタイカラ。コノキモチヲダレカニシッテホシイカラデス。ダレカワタシヲアイシテクダサイ。ワライタイデス。モウ、ナキタクナインデス。マイニチガユウウツデス。[・・・][・・・][わーん]
by コドクナアスカ (2006-07-29 11:51) 

mokekek

コドクナアスカさんコメントありがとうございます。[わはっ]
この本の最初の方のあすかのように寂しい思いをしているんですね。[・・・]
でも大丈夫。あすかがおじいちゃんおばあちゃんのところで
元気になって行ったように、きっとコドクナアスカさんの近くにも、
コドクナアスカさんを元気にしてくれる人がいると思います。[ぴーっ]
一日も早くその人に出会ってコドクナアスカさんが笑顔で毎日暮らせることを
mokekekも陰ながらお祈りしています。
by mokekek (2006-07-30 12:31) 

みずほ

加筆される前のハッピーバースデイを読み終わった時の思いは
 虚脱感。
主人公のあすかより、何の反省もないおじいさんとおばあさんの印象が強く、
薄っぺらな話だと思った。まさか課題図書になるとは・・・
by みずほ (2006-09-03 22:57) 

mokekek

みずほさんコメントありがとうございます。[わはっ]
わたしは加筆前の版を読んでいないのですが、
この加筆版は母親にも焦点が当てられ少し印象がかわっているかもしれません。
祖父母は自分たちの静代への接し方が静代のあすかへの接し方へ
大きく影響してしまって反省する……というくだりはなかったと記憶していますが、
母静代は家族ではなく、職場の上司の助けを借りて、
自分自身で変わろうとし始めています。
もしお時間があれば、加筆後のものをお読みになってみては?[ふむっ]
あ、加筆前のものを読んでないわたしが言うのもなんですが…[がーん]
by mokekek (2006-09-05 13:58) 

mokekek

浦島くんTBありがとうございました。[わはっ]
by mokekek (2007-02-04 10:17) 

優菜

[・・・][・・・][・・・][・・・][はぁと]
by 優菜 (2007-08-17 10:25) 

NO NAME

[ふつう][にこっ][わはっ][うーむ][ふむっ][じーっ][わーん][べーっ][わおっ][むむっ][さーっ][らぶっ][くんっ][あわわ][ふんっ][いいえ][きょと][ぴーっ][はぁっ][ZZZ][・・・][はぁと][あせっ][がーん][いかり][おんぷ][はてな][えーっ][たらー][ぴかっ][しゅん][はーと][どくろ][くもり][あめ1][ゆき1][はれ1][あめ2][あめ3][ゆき2][はれ2]
by NO NAME (2007-08-18 10:19) 

わ~ん

[わーん]わ~ん
by わ~ん (2007-08-22 13:22) 

mokekek

優菜さん、NO NAMEさん、
絵文字の足跡ありがとうございます。[わはっ]
ただ、いただいたメッセージの内容を
理解しかねているのですが。。。

わ~んさんコメントありがとうございます。[わはっ]
お読みになったのですね!?
by mokekek (2007-08-26 18:42) 

マサ

[わはっ]
ハッピーバースデーは去年読書感想文で書きました
とても感動する作品でした
by マサ (2007-09-02 12:36) 

mokekek

マサさんコメントありがとうございます。[わはっ]
この本は読書感想文に選ぶ方が多いようですね(^o^)
by mokekek (2007-09-11 15:22) 

NO NAME

[はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2][はれ2]
by NO NAME (2008-04-04 00:52) 

mokekek

NO NAME-4/4さん、[わはっ]
by mokekek (2008-04-05 08:09) 

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