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最近読んだ本-「日本語の森を歩いて」 [本]

日本語の森を歩いて フランス語から見た日本語学

日本語の森を歩いて フランス語から見た日本語学

  • 作者: F. ドルヌ, 小林 康夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/08/21
  • メディア: 新書

副題が「フランス語から見た日本語学」となっておりますが、
私はフランス語はほぼ100%わかりません。
でもフランス語がわかったらもっと面白いんだろうなと思いつつも、大変興味深く読みました。
日仏対照言語学の学者であるフランス人のフランス・ドルヌさんが書いた文章を、
文化学者(?)で旦那さまである小林康夫さんがチェックしたとのことで、
訳文ぽくなく自然な日本語で書かれているというのも重要なことでしょう。

さて、どんな点が面白かったのかと言うと...。
例えば冒頭の「奥のほうへ進んでください」の奥。
日本人が考える「奥」とフランス人が考える「fond」(一般的に奥と訳される仏語)は、
捕らえ方が違うんですって。
「底」のようなものを指して「奥」というときは大体同じ。
でも、日本語の「奥」は「森の奥」や「テーブルの奥」のように、
手前から遠ざかった方向に対しても使いますよね。
ところがフランス語の「fond」は、壷や部屋のような、限られたものの入り口から一番遠いところ
というような意味であって、「*au fond de la foret」(直訳:森の奥)という言い方はありえないのだそうです。
---フランス語を勉強している日本人の大学生同士で会話の練習をしているときに、
「*Mets le fauteuil au fond de la table.」
(直訳:テーブルの置くに肘掛け椅子をおきなさい。フランス語では存在しない表現)
と一方の学生が言ったら、もう一方の学生にはちゃんと通じて満足そうだった。---
というエピソードが紹介されており、ネイティブ不在の会話練習の恐ろしさを思い知りました。

他にも、
「玄関先で失礼しますの先って?」
「お湯を沸かして。どうして水を沸かすって言わないの?」
「捻挫は治った。治ったのは捻挫した人?捻挫自体?」
など、フランス語という日本語以外の目から見つつ、日本語自体の特徴を詳しく捉えていて、
なかなか興味深い内容です。

ただ...。確かに平易な言葉で書かれてはいるのですが、
やはり学者先生が書いているからか、元はフランス語の論理からかわかりませんが、
時々理解が難しく、気が遠くなることもありました。
ああ、もっと勉強しなくっちゃ!


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コメント 2

おさかな♪

>「お湯を沸かして。どうして水を沸かすって言わないの?」
あははは・・・おかしい。。。
フランス人は、間違ったフランス語を話すと気長に訂正してくれる人が多いので、練習になります♪
by おさかな♪ (2005-09-22 09:56) 

mokekek

おさかな♪さんNice&コメントありがとうございました。
フランス人はフランス語の間違いには寛大でゆっくり直してくれるんですね。でも英語で話すとだめなんですね。自分が優位なら機嫌がいいと...。なんだかかわいらしい人たちですね!
by mokekek (2005-09-22 14:41) 

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