最近読んだ本-「感性の起源」 [本]
この本を読み出したのは、実は昨年の12月!
いろんな本を平行して読み散らすクセがあるわたしは、途中まで読んで放置していたのですが、
前回の記事「私の頭の中の消しゴム」を観て、ああ、読んでしまわなくてはと思い出し、
とりあえず、1回目、ようやく読み終えました。
「私の頭の~」のどんな部分で思い出したのかというと、
いろいろな記憶を失っても、ふとしたことで「におい」の記憶は甦るということ。
映画ではヘアトニック(?)が登場していました。
何だっけ?この匂い。わたし、この匂い、好き。
この本ではこんな事例が載っています。
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ある匂いを嗅いで、昔のことを思い出すことがある。
これはプルースト効果といわれている。
マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」の冒頭、
主人公がお菓子マドレーヌの一きれを紅茶に浸し、
それを口に含んだときの味と匂いから突然、過去の映像、視覚的回想が現れるという
有名な場面にちなんだ命名である。
~略~匂いには昔の記憶を呼び起こす不思議な力がある。
--------------------------本文 P120 16行目より------
嗅覚は、視覚や聴覚よりも原始的な脳で認識されるので、
より直感的に記憶を呼び起こすものだということです。
「感性」を具体的に解き明かすために、
視覚、聴覚、味覚、嗅覚について、やや専門的な例も出しながら紹介されています。
とくに印象深かったのは、
●甘い味が好きで苦い味がキライな粘菌!
かなり横道にそれますが、真性粘菌(アメーバ)という生き物が実際にいることに改めて驚きました。
とても小さい単細胞生物で、植物と動物の性質を持ち、集まってある条件が満たされると、
結合して巨大な生き物となって動き回るなんて!道端で出会ったら卒倒しちゃうかも。
●「食譜」によって味の再現ができる!
味覚センサーをもったもの同士で情報を送受信することで同じ食を楽しむことができる。
時代を超えて味の具体的な伝承が可能になる?そりゃスゴイ。
でもこれって、 プリンに醤油=ウニ味、麦茶に砂糖とミルク=コーヒー牛乳、万歳ってことだし、
化学調味料や人工食品が増大するってこと。本当にいいのか!?
※ここでの「食譜」は料理のレシピではなく、
味を酸味、甘味、苦味、塩味、うま味にわけ数値化したものを再現するための「楽譜」のようなもの。
●色で味をイメージさせることが可能。
甘み=ピンク、酸味=黄色、塩味=青色または無彩色、苦味=茶色または無彩色、
うま味=橙、赤色、茶色などの同系色。
なるほど~!
副題ともなっている「ヒトはなぜ苦いものが好きになったか」の答えは、キーワードは「自己組織化」。
つまり、「訓練されて学習して自分自身が変わってゆく」ってことでしょう。
感性は磨けるというわけです。
それでも、よく考えてみると現代の人たちは、著しく視覚偏重型の生活を送っていて、
聴覚も触覚も味覚も嗅覚も、昔と比べたら随分衰えているんだろうなと思います。
パソコンの前に座ってカチャカチャするだけでもいろんなことができるわけですから。
意識して感性を磨くように生活を工夫しないとどんどん視覚偏重人間になってしまいそうです…。
うかうかしていると「感性商品」によって、自分自身の感性がコントロールされ、
自分の本当の感じ方がわからなくなってしまうなどということもあるかもしれません。
とまあ、色々なことを想起させてくれてとても面白いのですが、
なんせ専門用語部分が難しくて、飛ばしてしまったところも多々あり。
(それで1年以上もかかってるのですが……。)
今度は頑張って、もう一回通して読んでみようと思ってマス。
-----おまけ-----
今年も残すところあと二日。
みなさま、よいお年をお過ごしくださいませ☆
[わはっ] いい笑顔ですね~
来年もよろしくお願いします [はぁと]
難しいご本読まれてるのですねぇ~・・ [あわわ]
by jewel (2006-12-30 20:47)
jewelさんNice&コメントありがとうございます。[わはっ]
写真を撮る機会が多いためか、すぐにこのようなポーズをとります。
面白いけれどところどころ難しくて読み飛ばしてしまう、そんな本です。
根っからの文型人間にはデータ関係が出てくると
脳が拒否反応を示してしまうみたいで。。。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。[ぴーっ]
by mokekek (2007-01-06 12:30)
みどさんNiceありがとうございます。[わはっ]
by mokekek (2007-01-14 16:31)